そんな日々を過ごして、早一ヶ月。

周りはすっかり、私とじんくんが付き合ってると勘違いしているみたいで…。


『ついに静紅サマにも本命が…』

『相手が井ノ原じゃ文句言えねーか』


なんて言葉を、ちょくちょく耳にした。

そう言われるのは恥ずかしい。
でも、現にじんくんの隣にいられることは、正直に嬉しい。

こんな私がじんくんの傍にいて良いのかと思うと、なんとも言えない喜びが湧いて、胸が踊るようだ。

けれど……。

そう思えば思うほど…告白という…禁断の扉を開きそうで…。

それが自分の運命を大きく変えてしまいそうで怖かった。


本物の私を曝け出しても、いいのかな…？


じんくんなら…と思う反面、嫌われたくないから…離れて行ってほしくないから、特異体質を持ったままの自分をどうにか封印したかった…。

じんくんは、私といて…幸せを感じる瞬間て、ありますか？

どうしても、聞いてみたい。


もしも、最悪の答えが返ってきたとしても…私は、じんくんを好きな気持ちを、今更止めることは出来ない…。


だから、じんくんの笑顔を見る度、切なさが心に舞った。