『影小路が始祖の転生』と、その存在を括られるにはそれなりの理由がある。

私はそれを、記憶の中で確認している。

始祖と呼ばれる者たちは、禁忌を犯した者たちだ。

陰陽師として、人間として……。

「マコ、何が問題なの? 私はそういった話はわからないから、話してることが全然わからないわ」

「あ、はい――

「それがな、美愛――

美愛さんに『マコ』と呼ばれ、私と誠さん、両方が美愛さんの方を見た。

ぷっと吹いたのは黎だった。

「えっ? なんで笑うの?」

私が当惑顔をすれば、黎は少しだけ肩を揺らした。