「? なにがだ?」 黎は不思議そうに訊いてくる。 でも、黎が家と縁を切った理由は……。 「私のせい、だから……」 「桜城から出奔(しゅっぽん)したことか?」 「……うん」 「真紅のせいなわけあるか。元々、いずれは籍も捨てるつもりだった。架と弥生さんを護るためには、俺はいない方がいい」 「………」 『一人になるように、仕向けてたんだ――』