三人で暮らすようになって、毎朝黎が来ることも日常になった。

病院へ行けば、必ずではないけど逢える日もある。

陰陽師として生きていくのは厳しそうだ。

一緒に暮らし始めて二週間。すでに三十回くらい心が折れそうになっている。

けれど、これは私が選んだ道だ。自

分で選んだものを諦めるのは、すごく嫌だった。

だから今は、誰より傍にいてくれた親友のために、がんばるだけだ。

白ちゃんが言っていた。

海雨にある妖異の残滓(ざんし)は、恐らく私が傍にいるだけでも、瞬間的ではあるが薄らぐだろうと。

海雨が少しでも楽でいるために、ぎりぎり時間を作って病院へ訪れていた。

日曜日、私はママに相談して、早いうちに海雨のところへ行ってからママたちと合流することになった。

少しでも海雨に逢いたいのもあったし、白ちゃんの言っていたことが本当だったとしたら――だ。

「えっと……ここでいんだよね?」