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「ここでいいよ。白もまだ仕事、あんだろ?」

月御門別邸の門まで黒を送りに出た俺に、黒は微笑んだ。

「ああ。……お前も、夜警もほどほどにしろよ。縁(ゆかり)が心配する」

「まーな。縁はほんと、口うるさい姉って感じになってきたよ」

「いいじゃないか。俺もお前も、きょうだいはいないんだし」

黒の世話に手を焼いている縁を思い出して、思わず笑ってしまった。

縁は戦闘には向かない。

俺の配下二基がともに戦闘向きであるのに対して、黒藤の配下三基で、戦いの場に出られるのは無月だけだ。

その辺りは、主の差なのだろう。

「黒。真紅はお前を、越えられないよ」