「かける? どこの者ですか。また白桜様に厄介ごとを押し付けましたか?」

華樹は元々目つきがわる――眼光が鋭いので、普通にしていても睨んでいるように見えるらしい。

それが今、敵意を持って黒藤に接しているもんだから……俺は色んなところで板挟みになる。

「華樹。退(ひ)け。仕事の話だ」

「………失礼致しました」

声も険しく言うと、いきり立っていた華樹は静かに畳に膝をついた。

そして正座したまま黒藤を睨む。……しょうがないなあ。

「お前たちにも話しておく。小路流の今後も関わってくる話だ」

「と、言いますと?」

「紅緒様が目覚められたことは知っているな?」

「はい」

「ええ」

俺の言葉に、華樹と牡丹が答え結蓮も肯く。