「あ、甘え? どうしたの、急に」

架くんのいきなりな言葉に驚いた。

「兄貴、真紅ちゃんに頼ってもらえないと、たぶん自分がいる意味ないとか思っちゃうと思うからさ。……兄貴、生きてる意味を求めやすいって言うか……誰かに生きてる意味をもらわないと、まだ無理だと思うんだよね」

「―――」

生きてる意味をもらう? 

妙な言い回しに首を傾げていると、架くんは「だから、甘えてあげて」と続けた。

黎に、甘える。

……甘えてばかりだと思う。