「俺? 俺はむしろパッと見じゃ男か女かわからないから、声かけてくる奴とかいないから必要ないって」

「澪さん、自虐の方向が凄まじいです……」

澪さんだってキレーな見た目だ。

中性的、という表現がついてまわるのが哀しいかな、だけど。

ふと、訊いてみた。

「……澪さん、本当に真紅のことキライなんですか?」

「急にどうしたの?」

「あたしにとって真紅は一番の親友ですから、傷付いてほしくないです。澪さんも、病院が長いあたしの勉強見てくれたり、優しくしてくれる大事な人です。……お互いの立場とかもあるみたいですから仲良くしてほしい……とまでは言いませんけど、………」

あたしの言葉が続かなくなると、澪さんは手を組んで前のめりに身を乗り出した。

「俺がお嬢さんに辛く当たるの、見ていてきつい?」