+++

「海雨ちゃん来たよー!」

「百合緋ちゃん!」

病室に飛び込んだ百合緋ちゃんを迎えた海雨は、嬉しそうに破顔した。

「大丈夫? 今日は調子悪くない?」

海雨の前に立って問う百合緋ちゃんに、海雨も笑顔で返す。

「だいじょぶだよ。最近調子いいんだ」

後から入った私は半眼になる。

「なんでそこ、私よりラブラブなの」

「「え?」」

声を揃える海雨と百合緋ちゃん。

二人はともに私の友人ということで知り合ったはずなのに、波長でも合うのか、逢うとくっついて離れない。

言っても私も、本気で百合緋ちゃんに妬いているわけではない。

置いていかれた感があるのは否定できないけれど。