社から醸し出された香りが変わっていたことに気づいたのは、私だけだった。

私より数段上の力を持つ白ちゃんも黒ちゃんも気づいていなかった。

つまり、その変化した香りは私だけに届くようにされていたのだろう。

……ここの地神は、『始祖の転生』がどうしてそう呼ばれるのか、知っているのだろう。

だから、私を誘い出し警告を与えた。

「………」

ただ、拳を握る。

……承知しております。あのようなこと、もうあってはならない。



私は、始祖が何を行ったかを、知っている。