改札を出たところで、勇気をふりしぼった。



「か、風越くん…!」


くるっと振り返りこちらを見る風越くん。


「えっと…。どちら様ですか?」



「わたし…!中園咲雪って言います!

 今年同じクラスになりました…!」



「うーん…。ごめん、覚えてないや。」



「そうですよね…。ごめんなさい…。」



「ん?なんで謝るの?」



「だって…。迷惑だったかなって…。」




「いや全然?」



よかった…。予想通りいい人だった。