【短】愛を語るよりも早く、その口唇を味わいたい。

「頼むから…俺のものに、なってよ?」

「のぞむ、せんぱ…」


きゅう、掴まれるシャツに力が入って、それが彼女の気持ちの現れだとは分かるけど…。

俺は、彼女からの言葉がちゃんと欲しかった。


「彩姫ちゃん…こっち向いて、…彩姫…」


恥ずかしげに俯こうとする彼女の名前を呼ぶと、小さな声で抗議をされる。


「ずるい、です」

「ずるい?なんで?」

「だって…っ」

「ずるくなるのは、彩姫ちゃんにだけだよ?」

そうして、瞳に映るのは、アップルレッドの可愛いグロス。