【短】愛を語るよりも早く、その口唇を味わいたい。

「じゃあ、…キスしても、いい?」

「……や…」

「だめ?」

わざと甘ったるい声を出す。
こんな声を出したことは一度もないから、ちょっと退かれるかなとおもったけど、彼女は首を縦にも横にも振らない。

それに焦れて、俺は引っ張られた距離を縮めてしまう。

「いい加減……」

「…え…?」

「俺の本気、受け取って?」

「う、…ん…」

自然と上を向いた彼女の方にかがんで、まるで許しを乞うように囁いてから、彼女の言葉を待つことなく、キスをした。


少しだけ、触れる…キス。
震える口唇。
そして、それに呼応するように震えるまつ毛。

気付けば、彼女は俺の制服のシャツを掴んで離さない。

だから、俺はもう一度耳許に囁いた。