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宮瀬聖が頭から離れない。


貫田さんが〝敵わない〟と言った意味が分かる。


あたしも彼に敵わないだろう。


アイツは他者を圧倒する物を兼ね備えている。


誰も邪魔できない世界を作り上げている。


「宮瀬聖」


突如、ナオの口からその言葉が飛び出し、昼ごはんを作る手が止まった。


「玲香知ってる?」


ナオがソファに座りスマホをいじりながら尋ねてくる。


「…聞いたことはあるかも」


〝知らない〟と嘘をついても良かったけど、嘘をつけばだいたいナオに見破られる。


だから嘘はなるべくつきたくない。


「ヤツが動き出した。おそらく琴吹組組長の指示だろう」