太っていなくても、どうやらこの体は運動に向かないようだ。
全力で追いかけているというのに、少年との距離は開いていく一方である。
「お願い、待って!」というミーナの声には耳を貸さず、少年は広場を出て北へ延びる道へ駆け入った。
そこで、前方から歩いてきた誰かが、少年を捕まえてくれた。
盗んだハンドバッグを落とし、もがく少年の体を片腕一本で拘束する頼もしい青年は、よく見るとライアスである。
「引ったくりか。子供だから大目に見てもらえると思うなよ。牢にぶち込んでやる」
「この野郎、放せ! 放さないと急所に蹴り入れるぞ!」
「やれるもんならやってみろ」
ライアスは少年の体をヒョイと持ち上げると、楽々と肩に担いだ。
「わっ!」と驚きの声をあげた少年は、それでもライアスの背中を拳でポカポカと殴り、抵抗の姿勢を崩さない。
けれども、鍛え抜かれた竜騎士の肉体には少しのダメージも与えられないようで、「ちくしょー!」と悔しげに喚いていた。
全力で追いかけているというのに、少年との距離は開いていく一方である。
「お願い、待って!」というミーナの声には耳を貸さず、少年は広場を出て北へ延びる道へ駆け入った。
そこで、前方から歩いてきた誰かが、少年を捕まえてくれた。
盗んだハンドバッグを落とし、もがく少年の体を片腕一本で拘束する頼もしい青年は、よく見るとライアスである。
「引ったくりか。子供だから大目に見てもらえると思うなよ。牢にぶち込んでやる」
「この野郎、放せ! 放さないと急所に蹴り入れるぞ!」
「やれるもんならやってみろ」
ライアスは少年の体をヒョイと持ち上げると、楽々と肩に担いだ。
「わっ!」と驚きの声をあげた少年は、それでもライアスの背中を拳でポカポカと殴り、抵抗の姿勢を崩さない。
けれども、鍛え抜かれた竜騎士の肉体には少しのダメージも与えられないようで、「ちくしょー!」と悔しげに喚いていた。


