「ねーねー、ライアス、どういうこと? これまで女の子に少しも興味を持たなかったのに、ミーナちゃんは特別なの?」


面白がってニヤニヤしながら後を追うマッキオに、「胃袋を掴まれていることは確かね」とクスリと笑いながらエルネも続いた。


「こら、小僧ども、ワシを置いていくでない!」


入りきらないひまわりの種を口からこぼし、もごもごとはっきりしない声でそう言ったのはジャンポールだ。

彼はテーブルから椅子、さらに床へと飛び下りて、慌てて走っていった。


「またお越しくださいませ……」


彼らに向けて頭を下げつつも、ミーナの胸はまだ落ち着かない。


(私、なにか変だよね。動悸がおさまらないのは、まさか……心臓病?)


前世では恋愛と無縁の生活を送ってきた彼女なので、ときめいていることに気づいていない。

胸に手を当て、働きすぎて病気になってしまったのではないかと心配するミーナであった。