ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

ミーナが港を初めて訪れたのは、異世界に飛ばされて一週間ほど経ってからのこと。

前世では子供の頃にしか海に行ったことはなかったので、美しく広大な海に彼女は感動したものであった。

けれども今はのんびりと観賞する気になれず、沖に目を凝らして竜騎士団を探す。


「あれかな……」


豆粒大にしか見えないが、鳥のような影が複数、海面近くを縦横無尽に飛んでいる。

水柱が上がったり、炎が見えたりしているので、まだ戦闘の最中であるようだ。


ミーナがハラハラと見守っていたら、彼らのシルエットは徐々に大きくなり、港に近づいてきた。

ドラゴンの大きさはニトントラックほどで、それにまたがる竜騎士団は剣や槍で武装している。

ライアスたちそれぞれを見分けることができるほどに近づいたら、ミーナは目を丸くした。


「え……ええっ!?」


穏やかだった海面が盛り上がり、ザブッと海中から姿を現したのは、巨大なタコ。

民家四軒分もあろうかと思うほどの大きさである。

暴れ狂うタコは港へ上がる気なのか、一直線にミーナの方へ向かっていた。