ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

「へいらっしゃい!」と威勢のいい店主の男性に、ちくわについて尋ねようとしたミーナだが、ふと聞こえてきた見知らぬ中年女性ふたりの会話が気になり、横を向いた。


「でね、沖の方に竜巻が見えたのよ。あれはきっと竜騎士団の攻撃魔術だわ」

「誰と戦っているのかしら?」

「さあ……北の山側の国境線と違って、この街の海は平和よね。さっぱりわからないわ」


タコ退治に行くと言っていたライアスたちのことを思い出したミーナは、急に心配になる。

竜巻を起こして戦うほどなのだから、この世界のタコは、自分の想像するものとは違うのだろうと彼女は考えた。

それで、ちくわを買わずに魚屋の店先を離れ、港へ向けて走りだす。


(皆さん、無事に戻ってきてください……)


広場を出て南側一帯は、倉庫や民家が建ち並んでいる。

貿易商の大きな石造りの倉庫の間を駆け抜けると、目の前がパッと開けた。

整備された広い港には、漁船が何十隻も停泊している。

額に汗して、商船から荷下ろししている男たちもいた。

その向こうは、コバルトブルーに輝く海である。