ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

オリーブ油しかないため、それを鉄鍋に入れてコンロにかける。

点火しようとしてスイッチを探したが見当たらず、美奈はコック長に尋ねた。

すると、子供でも知っているような基本的なことを、なぜ知らないのかと不思議そうな顔をしながらも、コック長が丁寧に教えてくれる。


「コンロの中に並べてある炎石に手をかざして、燃えろと念じてください。石自体に魔力が宿っていますので、魔導師ではない我々の微力な魔力でも、簡単に火はつけられます」


外灯や店内の壁掛けランプと同様に、炎石という名の玉石を燃やして、コンロやオーブンの火力としているらしい。

「ありがとうございます」とお礼を言った美奈が教えられた通りにしてみると、簡単に点火し、火加減調整も念じるだけでできることを理解した。


小料理屋で長く勤めた経験から、衣を鍋にちょっと落としてみれば、油の温度がすぐにわかる。

百六十度まで油を熱した美奈は、衣をよく纏わせた鶏肉を、次々と鍋に投入していった。

彼女の周囲には、調理人たちが集まって、興味深げに鍋を覗いている。


「ミーナさん、なにを作っているんですか?」

「生姜とニンニクと醤油で味付けした、鶏唐揚げですよ」

「ええと……さっぱりわからないのですが、それは異国の料理ですか?」