ひとりはしゃぐ美奈の後ろでは、コック長と他の調理人たちが唖然とした顔をしている。
いつの間にか、ジモンとアマンダも厨房に入ってきており、「うちの娘はいつから魔術を使えるようになったんだ」と顔を見合わせ、首を傾げていた。
呪いや魔術が存在するこの世界では、なにかを召喚するということ自体は不思議ではないようだが、それができるのは治癒院にいた魔導師のような、ひと握りの特別な人達だけなのかもしれない。
彼らの戸惑いは、気持ちが高揚している美奈には伝わらず、彼女は張り切って料理を始めた。
日本で目にしていた鶏のもも肉の、何十倍サイズの大きなブロック肉に包丁を入れる。
余分な皮や黄色い脂肪は取り除き、大きめのひと口サイズに切り分けたら、下味をつける。
すり下ろした生姜とニンニク、醤油を陶器製のボウルに入れてから、お酒も必要だったと美奈は気づいた。
それで、小料理屋で使っていた業務用サイズの料理酒を思い浮かべ、指を組み合わせて召喚しようとしたのだが……なぜか出てこない。
「どうして?」と呟けば、頭の中に少女のような声が響く。
いつの間にか、ジモンとアマンダも厨房に入ってきており、「うちの娘はいつから魔術を使えるようになったんだ」と顔を見合わせ、首を傾げていた。
呪いや魔術が存在するこの世界では、なにかを召喚するということ自体は不思議ではないようだが、それができるのは治癒院にいた魔導師のような、ひと握りの特別な人達だけなのかもしれない。
彼らの戸惑いは、気持ちが高揚している美奈には伝わらず、彼女は張り切って料理を始めた。
日本で目にしていた鶏のもも肉の、何十倍サイズの大きなブロック肉に包丁を入れる。
余分な皮や黄色い脂肪は取り除き、大きめのひと口サイズに切り分けたら、下味をつける。
すり下ろした生姜とニンニク、醤油を陶器製のボウルに入れてから、お酒も必要だったと美奈は気づいた。
それで、小料理屋で使っていた業務用サイズの料理酒を思い浮かべ、指を組み合わせて召喚しようとしたのだが……なぜか出てこない。
「どうして?」と呟けば、頭の中に少女のような声が響く。


