ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

突然、頭の中に、《食材召喚!》という幼い少女のような可愛らしい声が響いた。

その直後に着ているエプロンのお腹のポケットが膨らんで、ポンッと音を立ててなにかが飛び出した。

調理台の上にトンと立ったそれを見て、美奈は驚き歓喜する。


「醤油! しかも私がいつも使ってたやつだ!」


思わず抱きしめて頬ずりしたものは、小料理屋近くの業務用スーパーマーケットで、一.八リットル三百五十四円で売られているお徳用濃い口醤油であった。

喜びに目を潤ませる美奈は、醤油ボトルを台に戻すと、再び指を組み合わせる。

願えば、他の調味料や食材も出てくるのではないかと期待したのだ。


「生姜とニンニク、片栗粉も欲しいです。お願いします」


唐揚げを作るための材料を言葉にすれば、また《食材召喚》という声がした。

続いてエプロンのポケットが膨らみ、ポンポンッと勢いよく、それらが飛び出す。

業務用一キロ三百四十六円の片栗粉と、大きな生姜二個入りで百七十五円のもの、ネットに入った三個で百二十二円のお徳用ニンニクが調理台の上に並び、美奈は両手を高く上げて飛び跳ねた。


「本当に出た! 嬉しいー!」