ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

不思議な世界に来たものだとつくづく感じて、驚いている美奈に、「いらっしゃいませ」と後ろから近づいてくる人がいた。

綿の白シャツに黒いベストとズボン、赤い蝶ネクタイを締めた青年である。

赤茶の癖毛の短い髪をして、スラリとした体形の、なかなかハンサムな容姿だ。


注文を取り来た様子の彼は作り笑顔を浮かべていたが、テーブルの横に立ち、美奈たちが誰であるかに気づくと、嫌そうな顔をして舌打ちした。


「なんだ、親父たちかよ」


そう文句を言うということは、彼が先ほど話に聞いた、ザックという名のミーナの兄なのだろう。


「ザック、店番ありがとう。うまく回しているようじゃないか。腹が減ってるんだ。食べたら、わしらも働こう」


父親の言葉に、「別にいいけど」と淡白な返しをしたザックは、それから苦々しい視線を美奈に向ける。


「ケロリとして元気そうだな。どこが瀕死の重体なんだよ」