陰鬱な雰囲気を纏った男は、ゆっくりと後ろからミーナに近づき、五メートルほど離れた位置で足を止めた。
そして、気味の悪さを感じる低い声で呼びかける。
「お前は、ミーナ・コレットだな」
「はい……?」
返事をして振り向いたミーナは、首を傾げる。
名を呼ばれたけれど、知り合いではない。
マントを羽織っているということは、旅人だろうかと思い、「ワインガーデンにお越しのお客様ですか?」と尋ねたら、男が被っていたフードをおもむろに後ろに落とした。
あらわにされた顔は、獣人ではなく人間だ。
ということは、きっとこの国のどこかの街からやってきた人なのだろう。
狐目で鷲鼻。背中の中程までありそうな灰色の髪をひとつに束ねた特徴的な容姿をしており、ミーナは彼に見覚えはなかった。
けれども男の方では、顔を見せれば誰であるかがわかるはずだと言わんばかりの態度である。
視線が交わり、ニヤリと意味ありげな笑い方をされたが、ミーナはゆっくりと首を傾げる。
「すみません、ワインガーデンではなく、レストランのお客様でしたか? 全てのお客様の顔を覚えていないので……。どのくらい前にご来店いただいたのでしょう?」
困り顔のミーナがそう問いかけたら、男は目を見開いてから、鋭く睨みつけてきた。
こめかみには青筋が立っており、どうやら怒らせてしまったようである。
そして、気味の悪さを感じる低い声で呼びかける。
「お前は、ミーナ・コレットだな」
「はい……?」
返事をして振り向いたミーナは、首を傾げる。
名を呼ばれたけれど、知り合いではない。
マントを羽織っているということは、旅人だろうかと思い、「ワインガーデンにお越しのお客様ですか?」と尋ねたら、男が被っていたフードをおもむろに後ろに落とした。
あらわにされた顔は、獣人ではなく人間だ。
ということは、きっとこの国のどこかの街からやってきた人なのだろう。
狐目で鷲鼻。背中の中程までありそうな灰色の髪をひとつに束ねた特徴的な容姿をしており、ミーナは彼に見覚えはなかった。
けれども男の方では、顔を見せれば誰であるかがわかるはずだと言わんばかりの態度である。
視線が交わり、ニヤリと意味ありげな笑い方をされたが、ミーナはゆっくりと首を傾げる。
「すみません、ワインガーデンではなく、レストランのお客様でしたか? 全てのお客様の顔を覚えていないので……。どのくらい前にご来店いただいたのでしょう?」
困り顔のミーナがそう問いかけたら、男は目を見開いてから、鋭く睨みつけてきた。
こめかみには青筋が立っており、どうやら怒らせてしまったようである。


