胸の前で指を組み合わせた美奈は、感激に目を潤ませる。
(ミーナさんはレストランの娘だったんだ。当然、厨房にも立っていたはずよね。ということは、私も料理を作ってお客さんたちに食べてもらえるんだわ。なんて素晴らしい環境なの……)
「どうしたんだ。思い出したのか?」と追ってきたジモンに期待の目を向けられたが、美奈は首を横に振り、張り切った声で言う。
「家業がレストランだなんて、素敵だと思ったんです。私、一生懸命に働きますね。よろしくお願いします!」
「え……?」
ミーナの両親が、顔を見合わせて戸惑っているのは、どういうわけだろうか。
短い口髭をさすりながら、渋い顔をしたジモンが唸るように言う。
「記憶がないだけではなく、性格まで変わってしまったのか。あんなに働くのを嫌がっていたというのにな」
アマンダも娘に訝しむような目を向け、しきりに首を傾げて言う。
「話し方も優しくなって、まるで生まれ変わったようね。手伝えと言っても遊び歩いて、なにもしなかった子が、一生懸命に働きたいだなんて信じられないわ」
(ミーナさんはレストランの娘だったんだ。当然、厨房にも立っていたはずよね。ということは、私も料理を作ってお客さんたちに食べてもらえるんだわ。なんて素晴らしい環境なの……)
「どうしたんだ。思い出したのか?」と追ってきたジモンに期待の目を向けられたが、美奈は首を横に振り、張り切った声で言う。
「家業がレストランだなんて、素敵だと思ったんです。私、一生懸命に働きますね。よろしくお願いします!」
「え……?」
ミーナの両親が、顔を見合わせて戸惑っているのは、どういうわけだろうか。
短い口髭をさすりながら、渋い顔をしたジモンが唸るように言う。
「記憶がないだけではなく、性格まで変わってしまったのか。あんなに働くのを嫌がっていたというのにな」
アマンダも娘に訝しむような目を向け、しきりに首を傾げて言う。
「話し方も優しくなって、まるで生まれ変わったようね。手伝えと言っても遊び歩いて、なにもしなかった子が、一生懸命に働きたいだなんて信じられないわ」


