ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

「焼きたてですよ。熱いので気をつけて召し上がってくださいね」


紙トレーに八個のせたタコ焼きは、照りのあるソースとマヨネーズ、鮮やかな緑の青のりを纏い、鰹節を躍らせている。

飛ぶように売れていくタコ焼きの屋台前は、行列が途切れることはない。


「お待たせしました」


次の客にタコ焼きを手渡そうとしたミーナは、顔を見て「あっ」と声を上げた。

マンチェスター伯爵である。


大邸宅で会った時のような立派な身なりではなく、庶民の装いに丸眼鏡までかけているので、目の前に来るまで気づけなかった。

その失礼を詫びようとして、「マンチェーー」と呼びかけたら、人差し指を口に当てた伯爵に止められた。

マンチェスター伯爵は、この街の最高権力者だ。

気づかれたら、他の客が萎縮してしまい、楽しげな雰囲気に水を差してしまうかもしれない。

それを懸念しての変装だと察したミーナは笑顔で頷き、伯爵がニッと笑う。


「ルーブルの屋台はもちろん、他も大盛況だな。二日間の来場者数は六千人に達するところだ。テーブル席のスペースが狭いから、次回の開催は港も使うことにしよう。屋台の数も増やしたい。ルーブルのお嬢さん、また力を貸してくれるかい?」

「もちろんです!」

「ありがとう。一回目が大成功に終わりそうなのは、君の活躍のおかげだ。さて、後のお楽しみは花火だな」