ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

「そうだったの……気にしてしまう気持ちは私にもわかるわ。でも全てのお客さんに満足してもらうのは難しいよ」


そう言って慰めたミーナに、ケイシーは頷く。


「それはそうなんだけど……」


味の好みは人それぞれだ。

ケイシーも自分にそう言い聞かせて、早く忘れようと努力しているのだが、どうしても食べてもらえなかったおにぎりを悲しんでしまうらしい。


ケイシーの悲しい顔は見たくないと思ったミーナは、「よーし!」と突然元気な声を出す。

目を瞬かせているケイシーに、ミーナはその客がまだ近くにいるかと聞いた。


「うん、いるよ。あそこ」


ケイシーの指差す先を見ると、鍔広の防止にレースの手袋、エレガントな外出着姿の貴婦人と、ピンク色のワンピースを着た小さな女の子がテーブル席に隣り合って座り、なにかを食べている。

それはどうやら、ルーブルのアイスクリームのようだ。

ケイシーが自嘲気味に笑って言う。


「ミーナお姉ちゃんのアイスクリームは美味しく食べてるみたいだね。私のおにぎりは、まだまだなのかな……」

「そんなことないよ。ケイシーのおにぎりの美味しさは、街のみんなも私も知ってるよ。少し待ってて。あの子に食の好みを聞いてくるから」

「え? ミーナお姉ちゃん、そんなこと聞いても……あっ!」