ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

彼らのような注文をする客は、他にも大勢いた。

この世界ではアイスクリームは想像の域を越えたお菓子であるため、選ぶに選べないようである。

そういう場合、ミーナは、バニラとチョコレートを勧めている。

その二種類がアイスクリームの王道で、誰からも好まれる味だと思っているからだ。


猫耳の獣人族カップルに品物を渡して代金を受け取り、次の親子連れの対応をしていると、「美味しい!」という声が聞こえてきた。

それは先ほどのカップルの声で、ミーナはキャラメルアイスクリームのクレープに生クリームをトッピングしながら自然と頬が緩む。


(食べ終えたら、もう一度列に並んでくれそうね。アイスクリームの美味しさを、この世界の人たちに伝えることができて嬉しいな……)


アイスクリームだけではなく、ルーブルが出店しているピンチョスとタコ焼き、焼きそばの屋台もお客さんでいっぱいだ。

昨日のミーナは指導役として他の屋台にも応援に入り、トラブルがあれば対処もしていたため、あちこちを移動して回っていた。

けれども今日は、その必要がなさそうだ。

どの屋台も順調そうなので、十時のオープンから十六時の今まで、短い休憩を挟んでずっとルーブルの屋台で売り子をしている。

お客さんの喜ぶ姿や美味しそうな顔を見れば、嬉しくて疲れは感じない。

けれども同じようにオープンから働き通しのジモンが、眉間に皺を寄せて、ミーナの肩にポンと手を置いた。


「お前はもう休んでいなさい。張り切る気持ちもわかるが、昨日から働きすぎだぞ」