ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

呆れ顔のエルネも、指先で髪を払って文句を言う。


「魔術なしでも戦えると言ったのは誰だったかしら? これじゃ仕事にならないわよ。ライアスは港の詰所に置いて、あたしたちだけで行くしかないようね」


マッキオは苦笑いしながら、ライアスの腕を取り、引っ張り立たせた。


「フラフラじゃん。アイスクリームにつられて、どんだけ全力出したんだよ。ミーナちゃんに心配かけたら駄目だろ。ほら、ちゃんと歩いて」


両脇をマッキオとエルネに支えられたライアスは、半分引きずられるようにして厨房を出ていこうとしている。

ハラハラした面持ちで立ち上がったミーナは、その背に声をかけた。


「ライアスさん、ありがとうございました。作ってくださった氷石で、色んな種類のアイスクリームを作ります。楽しみにしていてください」


すると顔だけ振り向いたライアスは、青白い顔で額に脂汗をにじませつつも、美麗な瞳を細めて口の端を上げた。

普段は無愛想なほどにクールな彼が、素敵に微笑んだのだ。

ライアスと知り合ってからもう半年ほどになるというのに、ミーナが彼のはっきりとした笑顔を見るのは、これが初めてある。


(ライアスさんが、笑ってくれた……)


途端にミーナの胸は熱くなり、鼓動が弾んで、心に花が咲いたように嬉しくなる。

それと同時に、美味しいアイスクリームを思う存分食べてもらいたいと張り切り、料理人魂も熱く燃やすのであった。