ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

その行動にポカンとしてしまったミーナだが、なにかを勘違いしているライアスに慌てて言った。


「ドーナツを凍らせてもアイスクリームにはなりませんよ。今、アイスクリーム液を作ってきますので、それからお願いします!」


急いで厨房に戻ったミーナは、さっそくアイスクリーム作りを始める。

調理台の上に卵と牛乳、砂糖、生クリームを出し、ボウルと泡立て器を準備する。

そして指を組み合わせて祈った。


「バニラビーンズをお願いします」


《食材召喚!》という声が脳内に響いたら、エプロンのポケットからビニール袋に入った黒くて細長い乾燥した植物が一本飛び出した。

バニラビーンズは値段が高い。

マダガスカル産と書かれたそれは、たった一本で九百十八円の値段が印字されている。

今日はもう、これしか召喚できないようだ。


ミーナがまたなにか始めたと、手の空いた調理人たちがわらわらと寄ってきて、調理台の四方から興味津々の視線が注がれる。


「それは木の枝ですか?」と若い調理人が聞いてきたので、ミーナは少し笑って首を横に振った。


「違いますよ。バニラビーンズという植物の鞘です。香りを嗅いでみてください」