ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

さらに隣の肉屋は、店先に大きな肉の塊をいくつも吊り下げている。


「へい、らっしゃい。チキン、二キロですね」


肉屋の店主はそう言って、牛の脚ほどもありそうな巨大な鶏もも肉のブロックを切り分け、重さを計って買い物客に渡していた。


(この世界の鶏は随分と大きいのね。味に違いはあるのかな? ああ、ウズウズする。料理して食べてみたい……)


料理を作りたいという欲求が、美奈の中にむくむくと湧き上がる。

そうなれば、気になるのは調味料である。

調味料の種類によって、作れる料理の幅が変わってくるからだ。

軒を連ねる店々を回り、調味料を探す美奈であったが、小麦粉を売る店に、塩とコショウ、砂糖とオリーブ油が置かれていただけで、他に見つけられない。


(これだけ大きな市場なら、色んなスパイスや調味料があるはずよね。見逃してしまったのかな……)


ミーナの両親は、広場の中央にある花壇の脇のベンチに腰掛け、娘を待っていた。

ふたりの元に戻った美奈は、「あの、調味料を売る店はどこですか?」と尋ねた。

もう一周するより、聞いた方が早いと思ったからである。