するとケイシーの妹が、ジャンポールを見て口を尖らせた。


「えー、飼うならリスがいい。ハムスターの尻尾はふわふわしてないもん。可愛くない」


ジャンポールが目を見開いて、大事に抱えていたクルミをポトリと落とした。

どうやら“可愛くない”との言葉が、大魔導師のハートを大きく傷つけたようだ。

「このわしが可愛くないじゃと!?」と憤慨して立ち上がったジャンポールは、着ている紫色の法衣をまくり上げ、お尻を振って見せる。


「わしは子供や娘っ子に人気なんじゃぞ! このチョンボリとした尻尾が愛らしいと、昔から言われておるのに……」


マッキオはまだ諦めずにライアスからミーナを奪おうとしており、止めに入ったエルネも加わって狭い店内はかなり騒がしい。

大盛況だったおにぎり屋のオープン初日は、こうして賑やかさの中で終わるのだった。