ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

「うん」と頷いたケイシーだが、その後に首を傾げて、「私よりお姉ちゃんが握った方が早いよ」と指摘する。

確かに早く量産したいのなら、作り手はミーナの方が適任であろう。

けれどもミーナは、首を横に振った。


「それじゃケイシーのおにぎり屋にならないよ。私は握らない。あくまでもお手伝いだからね」


あえて突き放すようなことを言ったのは、今後のためである。

今日のミーナはレストランを休んで丸一日ここで働くつもりでいるが、明日からはたまに手伝う程度で、ケイシーたち三人でやっていかねばならないのだ。

だから自分たちだけでも大丈夫だという自信を、ケイシーに持たせたかった。


その言葉を冷たいとは思わずに励ましと受け取った様子のケイシーは、クリッと丸い瞳に気合を表して、「わかった!」とすぐに後ろに下がった。


「お母さん、たらことシーチキンがなくなりそうだよ」

「あら大変。ケイシー急がなくちゃ。でも、雑にやったら駄目よ」

「うん、真心込めて丁寧に。それが一番大事だってミーナお姉ちゃんが言ってたもんね」


そんな母娘の会話が聞こえてきて、ミーナはテキパキと客対応しながらも嬉しく思っていた。


(ケイシーのおにぎり屋は、この先もきっと大丈夫。街の人に長く愛される名店になるに違いないわ……)