ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

するとケイシーは奪われまいとして、慌ててお弁当箱を高く持ち上げた。

まだ蓋を閉めていなかったため、傾いたお弁当箱から、三角に握ったおにぎりが転がり落ちてしまう。

「ああっ!」と悲痛な声をあげたケイシーは、ライアスをキッと睨んで抗議した。


「お兄ちゃんのバカ! お母さんと妹にあげようと思って半分残しておいたんだから。本当はおにぎり、二個とも食べたかったのに!」

「す、すまん……」


転がったおにぎりは、岸壁の縁ギリギリのところで止まった。

砂に汚れて食べられそうにないが、持ち帰って捨てるためにミーナは近づき、拾い上げる。

「落としてごめんなさい!」というケイシーの声に顔だけ振り向いたミーナは、笑顔で首を横に振った。


「気にしなくていいよ。おにぎりは簡単だからまた何度でも作ってあげられるし、レシピを教えればケイシーだって作れるとーー」


そこで言葉を切ったミーナは、ハッとしていた。

ケイシーの家の食料品店を、助ける策を閃いたのだ。


「そうだ! 食料品店をおにぎり屋にすればいいのよ。おにぎりは、レストランにも市場にも売ってないもの。立地条件が悪くたって、きっとたくさんのお客さんが遠方からも買いに来てくれるわ!」