ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~

「よーし!」と気合を入れて立ち上がったミーナを、ケイシーが不思議そうな顔で見上げていた。


「お姉ちゃん?」

「ちょっとだけ考える時間をちょうだい。絶対に解決策を見つけるからね」

「う、うん」


腕組みをしたミーナは、岸壁の手前を行ったり来たりして考えに沈む。


(食料品店の客足を取り戻すには、どうすればいいだろう……)


市場で品物を仕入れて店頭に並べれば、品数は増えるが値段が割高になってしまい、客にとって魅力は少ない。

それなら、御用聞きのように近隣住民に欲しいものを聞いて回り、届けるというサービスをつけてはどうだろうかと、ミーナは考える。

しかし、これも現実的ではない。

母親と少女ふたりで、力のいる配達サービスを行うのは無理だと思われた。


(なにかいい方法を、私が考えないと……)


贖罪と責任感から頭を悩ませるミーナに、ライアスが「海に落ちんなよ」と声をかけた。

「はい……」と生返事をしたミーナの視界の端には、ケイシーの手が動くのが映る。


九歳の子供には、さすがにお弁当が大きすぎたようで、半分ほど残したものに蓋を閉めようとしていた。

それに気づいたライアスが、「残すなら俺が……」と横から手を伸ばす。

胃袋が底抜けなのかと思うほどの大食漢だ。