抱きしめられた少年は驚いていたが、嫌がることなく、さらに涙の量を増やしてミーナにしがみついてきた。
ライアスはふたりの様子をチラリと横目で確認し、微かに頬を綻ばせている。
クールな彼はなにも言わないが、おにぎりを口にする様は、どこかホッとしているようにも見えた。
腕の中で声をあげて泣く少年の背を撫でるミーナは、この子は本当は素直ないい子なんだと感じていた。
盗みを働いたり、反抗的な態度をとったりしたのは、深い事情があってのことだろう。
(今なら話してくれるよね……?)
そう思ったミーナは、優しく声をかける。
「お名前、教えてくれる?」
「ケイシー。九歳だよ」
「えっ……?」
この世界の人名にはまだ完全に馴染んでいないミーナだが、ケイシーという名前に女の子のような響きを感じて戸惑っていた。
するとケイシーはミーナの腕の中で顔を上げ、手の甲で涙を拭ってから恥ずかしそうに打ち明ける。
「本当は“僕”じゃなくて“私”なの。男の子のふりをした方が、捕まりにくいと思って……」
ライアスはふたりの様子をチラリと横目で確認し、微かに頬を綻ばせている。
クールな彼はなにも言わないが、おにぎりを口にする様は、どこかホッとしているようにも見えた。
腕の中で声をあげて泣く少年の背を撫でるミーナは、この子は本当は素直ないい子なんだと感じていた。
盗みを働いたり、反抗的な態度をとったりしたのは、深い事情があってのことだろう。
(今なら話してくれるよね……?)
そう思ったミーナは、優しく声をかける。
「お名前、教えてくれる?」
「ケイシー。九歳だよ」
「えっ……?」
この世界の人名にはまだ完全に馴染んでいないミーナだが、ケイシーという名前に女の子のような響きを感じて戸惑っていた。
するとケイシーはミーナの腕の中で顔を上げ、手の甲で涙を拭ってから恥ずかしそうに打ち明ける。
「本当は“僕”じゃなくて“私”なの。男の子のふりをした方が、捕まりにくいと思って……」


