その日を境に、私は千都に近づくことをやめた。
向こうから何かアクションを起こしそうな時は、すぐに察して自ら逃げる。
その、繰り返し。
このままじゃいけない。
そうは思うのに、今千都から声を掛けられたら…。
自分の中の何か大切なものまで壊してしまいそうで、そんなことはとても耐えられなかった。
「瑞生…このままでいいの?本当に?」
「う、ん…」
心配そうな友江へと曖昧な笑みを溢す。
その弱々しさは自分が一番よく分かってる。
ちらり…。
気付かれないようにして千都の方を盗み見る。
すると、まるでずっと私のことを見ていたかのような千都の視線とカチンと合ってしまった。
「…っ」
私は慌てて顔を背ける。
嫌だ。
なんで自分のペースをこんなに乱されなきゃならないのか…。
いくら好きでも幼馴染という立場でも…。
何もかも見据えたように心を掻き乱されて、そのまま放置されることは辛い。
私はそのまま机に突っ伏して早くHRが終わることを祈った。



