【短】キミのためにここにいる

「…なんで、そんな顔してんの?」

「瑞生がバカだから」

「…バカバカ言わないでよ。腹立つなぁ…」

切なそうな瞳にドキンと胸が高鳴って、私はそっぽを向く。
すると、今度はふんわりともう一方の手首を掴まれて、

「瑞生はバカだから、ずっとそれでいいんだよ」

なんて言われた。

その真意を知りたくて顔を見ようとしたら目を覆われ、


「今は、ムリ。ちょっと下向いてて」

と制された。

大体いつも、こうだ。
よくわからないことばかり言って、人の気持ちを振り回すだけ振り回して、けして自分のことは表に出さない。

それが凄く悔しくて、私は千都の手を振り払う。