【短】キミのためにここにいる

てくてくてくてく


なんの会話もない帰り道。
自分から誘ったくせに、こういう時千都の口数の少なさを恨む。

「ねぇ?千都?」

「…何?」

「私告られた」

「ふぅん…」


あまりにも会話がないから、思わず打ち明けてしまった昨日の出来事。

何か反応をしてくれるかと思ったけれど、千都は短くそれだけ口にして、私との距離を少しだけ取った。


まるで、拒絶された気分。

私はぐっと握った手に力を込める。


どうせ、千都にとって私はそれだけの存在なんだ。
だから、私は心にもないことを口にしてしまう。

「この際だから、私も彼氏作ってみようかなぁ、なんて」

その自分で言った言葉に自分で傷付く。

鼻の奥がつん、としてくる。

それでも、一度放った言葉は二度とは戻ってくれない。
私は、下を向いて泣きそうになるのをなんとか堪えた。