「……ダメ?」
どう誘っても、オレが動かないと分かったのか、ハルは寂しそうにオレを見上げた。
……だから、ハル、ダメだってば。
オレ、ハルが本当に望んでいるのなら、どんな事でも叶えたくなっちゃうんだから。
結局、オレは空いてる手でハルの頭をなでると、
「5分だけね」
と口にしていた。
「……眠るまで、いて欲しい」
「どうした? やけに甘えん坊だね」
こんなおねだりは初めてだ。
オレは驚きつつも、そっとハルのベッドに上がった。
手を伸ばすと、ハルはそのまますっぽりオレの腕に収まった。
……ああ、ハルだ。
その温もりを全身で感じ、オレは心の奥底まで、頭のてっぺんからつま先まで、満たされた気分になる。
「……なんか、夢見が…悪くって」
「夢?」
「……ん。……寝入り…ばなに…変な夢……見る」
ハルは途切れ途切れにそう語った。眠りに落ちそうになりながら、オレの胸に頭をすり寄せるハル。
「そっか。じゃあ、変な夢を見ないように、オレがずっと話しかけてようか」
珍しく甘えてくるハルの背をそっとなでる。
なでながら、
「ハル……大好きだよ」
そう言って、ハルの髪にほおを寄せた。
今日の午前中に髪を洗ってもらったハル。いつものラベンダーの香りがふわりと香った。
「あり…が、と……。わたしも、……カナ、大好き」
ハルはそう言った後、ふわぁっと小さなあくびをした。
楽しいこと、楽しいこと。
ハルの悪夢を吹き飛ばすような楽しいことって何だろうと考えて、ふと思い出した。
どう誘っても、オレが動かないと分かったのか、ハルは寂しそうにオレを見上げた。
……だから、ハル、ダメだってば。
オレ、ハルが本当に望んでいるのなら、どんな事でも叶えたくなっちゃうんだから。
結局、オレは空いてる手でハルの頭をなでると、
「5分だけね」
と口にしていた。
「……眠るまで、いて欲しい」
「どうした? やけに甘えん坊だね」
こんなおねだりは初めてだ。
オレは驚きつつも、そっとハルのベッドに上がった。
手を伸ばすと、ハルはそのまますっぽりオレの腕に収まった。
……ああ、ハルだ。
その温もりを全身で感じ、オレは心の奥底まで、頭のてっぺんからつま先まで、満たされた気分になる。
「……なんか、夢見が…悪くって」
「夢?」
「……ん。……寝入り…ばなに…変な夢……見る」
ハルは途切れ途切れにそう語った。眠りに落ちそうになりながら、オレの胸に頭をすり寄せるハル。
「そっか。じゃあ、変な夢を見ないように、オレがずっと話しかけてようか」
珍しく甘えてくるハルの背をそっとなでる。
なでながら、
「ハル……大好きだよ」
そう言って、ハルの髪にほおを寄せた。
今日の午前中に髪を洗ってもらったハル。いつものラベンダーの香りがふわりと香った。
「あり…が、と……。わたしも、……カナ、大好き」
ハルはそう言った後、ふわぁっと小さなあくびをした。
楽しいこと、楽しいこと。
ハルの悪夢を吹き飛ばすような楽しいことって何だろうと考えて、ふと思い出した。



