「……ったく。お前がついていながら」
いつの間にか梅雨も明け、季節は初夏となり、窓の外には晴れ渡る青い空。
ベッドにはスヤスヤ眠るハル。顔色も呼吸状態も悪くない。
朝ご飯も昼食も、完食とはいかないけど八割方食べられた。
そんなハルを遠目に見ながら、病室のソファでオレは明兄に絶賛叱られ中。
「ごめんね」
オレは言い訳することもできずに、うなだれるしかなかった。
春から続いたあれこれに片が付いたその夜、つまり山野先生の研究室に行った日の夜、ハルは体調を崩した。
張りつめていた緊張が解けて、疲れがどっと出たようで、夜中に発作を起こして救急搬送。
入院後も不整脈がなかなか治まらないし、熱は高いし、本当に心配した。
だけど、ようやく昨日、点滴も酸素マスクもすべて取れて、このまま何事もなければ明日には退院予定。
明兄がハルの様子を見に帰郷したのは、そんな土曜日の午後だった。
「大体、お前、なんで相談して来なかったの?」
あ、それで怒ってるの、明兄?
「山野、だっけ? 叩けば幾らでもホコリが出るだろ」
確かに明兄に相談したら、いつの間にか担当の先生が変わってるとか、十分にありそうだ。
実のところ、それも考えないではなかった。
「……でもさ、ハルがあんまり楽しそうだったから」
オレの言葉を聞いて、明兄は眉をひそめた。それから、ハルの方に目を向けると、ふうっと長く息を吐く。
いつの間にか梅雨も明け、季節は初夏となり、窓の外には晴れ渡る青い空。
ベッドにはスヤスヤ眠るハル。顔色も呼吸状態も悪くない。
朝ご飯も昼食も、完食とはいかないけど八割方食べられた。
そんなハルを遠目に見ながら、病室のソファでオレは明兄に絶賛叱られ中。
「ごめんね」
オレは言い訳することもできずに、うなだれるしかなかった。
春から続いたあれこれに片が付いたその夜、つまり山野先生の研究室に行った日の夜、ハルは体調を崩した。
張りつめていた緊張が解けて、疲れがどっと出たようで、夜中に発作を起こして救急搬送。
入院後も不整脈がなかなか治まらないし、熱は高いし、本当に心配した。
だけど、ようやく昨日、点滴も酸素マスクもすべて取れて、このまま何事もなければ明日には退院予定。
明兄がハルの様子を見に帰郷したのは、そんな土曜日の午後だった。
「大体、お前、なんで相談して来なかったの?」
あ、それで怒ってるの、明兄?
「山野、だっけ? 叩けば幾らでもホコリが出るだろ」
確かに明兄に相談したら、いつの間にか担当の先生が変わってるとか、十分にありそうだ。
実のところ、それも考えないではなかった。
「……でもさ、ハルがあんまり楽しそうだったから」
オレの言葉を聞いて、明兄は眉をひそめた。それから、ハルの方に目を向けると、ふうっと長く息を吐く。