「それは、あなただけを特別扱いしろ、と言うことかしら?」
先生が醸し出すのは威圧感。
ハルちゃんが小さく息をのんだ。
不意に、ああ、これか、と思う。
以前、山野研究室に所属する友人が、
「サバサバしたイメージがあるだろうけど、山野先生、結構怖いぞ」
と話すのを聞いたことがある。
「いや、怖いと言うより、ねちっこい、かな」
友人はそうも言っていた。なるほどだ。
これはハルちゃんにはキツいだろう。俺が話した方がいいかも。
そう考えた瞬間、ハルちゃんが口を開いた。
「申し訳ありませんが、お願いします」
そう言って、ハルちゃんはとても丁寧に頭を下げた。
それに対して、先生はわざとらしくため息を吐く。
「私の授業の単位はいらないと言うことかしら?」
「いえ、まさか!」
「じゃあ、やるべきことをやりなさい」
鼻で笑うように、先生はハルちゃんを一瞥した。
「特別扱いはしません。……話がそれだけなら、もういいかしら? 私もそう暇でもないのよ」
何がおかしいのか、ハルちゃんを見てバカにするようにくすっと笑ってから、先生は俺に視線を向けた。
「広瀬くんも妹さんの言うことを真に受けてないで、大学の勉強は高校とは違うと教えてあげなさいよ」
「いえ、先生……」
と俺が続けようとすると、ハルちゃんがそれを止めるように、俺の腕に手を置いた。
「先生、でしたら、他の子たちと同じ課題をください」
先生が醸し出すのは威圧感。
ハルちゃんが小さく息をのんだ。
不意に、ああ、これか、と思う。
以前、山野研究室に所属する友人が、
「サバサバしたイメージがあるだろうけど、山野先生、結構怖いぞ」
と話すのを聞いたことがある。
「いや、怖いと言うより、ねちっこい、かな」
友人はそうも言っていた。なるほどだ。
これはハルちゃんにはキツいだろう。俺が話した方がいいかも。
そう考えた瞬間、ハルちゃんが口を開いた。
「申し訳ありませんが、お願いします」
そう言って、ハルちゃんはとても丁寧に頭を下げた。
それに対して、先生はわざとらしくため息を吐く。
「私の授業の単位はいらないと言うことかしら?」
「いえ、まさか!」
「じゃあ、やるべきことをやりなさい」
鼻で笑うように、先生はハルちゃんを一瞥した。
「特別扱いはしません。……話がそれだけなら、もういいかしら? 私もそう暇でもないのよ」
何がおかしいのか、ハルちゃんを見てバカにするようにくすっと笑ってから、先生は俺に視線を向けた。
「広瀬くんも妹さんの言うことを真に受けてないで、大学の勉強は高校とは違うと教えてあげなさいよ」
「いえ、先生……」
と俺が続けようとすると、ハルちゃんがそれを止めるように、俺の腕に手を置いた。
「先生、でしたら、他の子たちと同じ課題をください」



