心がぽかぽかしていると、流川くんが近づいてくる。
緊張して固まっていると、顔を覗き込まれた。
とても心配そうな目と視線が交わる。
「凛月、ちゃんと眠れてる?顔色悪くない?」
今までもきっと気づいていたんだろうけれど、こうして口に出して聞かれたことはなかった。
ドキッとして視線をそらす。
「……眠れてるよ。心配してくれてありがとう」
嘘じゃない。
前よりも眠れているのは事実だし、ただ酷い夢を見るだけであって。
彼を安心させるために笑う。
だけどやっぱり、上手くできていない気がする。
「……凛月」
流川くんが眉をひそめて、何かを言いそうになったとき。
「お待たせ、さあ朝食にしようか」
オムレツとポトフをトレーにのせて、清さんが持ってきてくれた。
できたてほやほやで美味しそうだ。
流川くんは何か言いかけた口を閉じる。
表情は晴れていないけれど静かに席に座った。
私も座ると、清さんが目の前に朝食を並べてくれる。
一通り準備が終わると、みんなで手を合わせて挨拶をした。
ポトフを一口食べる。
温かくて美味しい。
でも、飲み込むのが辛い。
いい匂いがするのに、味も美味しいのに、最近ずっと食欲がない。
食べたいのに、食べられない。
だけど残すなんてできなくて、スローペースだけど食べ進める。
「凛月さん、無理しなくていいからね」
「……いえ、美味しいです」
清さんは、またにこっと微笑む。
無理なんかしてない。
全然、こんなの無理なんかじゃない。
あの家に比べたら、ううん、比べるのもおこがましいくらい優しいところなのに。
緊張して固まっていると、顔を覗き込まれた。
とても心配そうな目と視線が交わる。
「凛月、ちゃんと眠れてる?顔色悪くない?」
今までもきっと気づいていたんだろうけれど、こうして口に出して聞かれたことはなかった。
ドキッとして視線をそらす。
「……眠れてるよ。心配してくれてありがとう」
嘘じゃない。
前よりも眠れているのは事実だし、ただ酷い夢を見るだけであって。
彼を安心させるために笑う。
だけどやっぱり、上手くできていない気がする。
「……凛月」
流川くんが眉をひそめて、何かを言いそうになったとき。
「お待たせ、さあ朝食にしようか」
オムレツとポトフをトレーにのせて、清さんが持ってきてくれた。
できたてほやほやで美味しそうだ。
流川くんは何か言いかけた口を閉じる。
表情は晴れていないけれど静かに席に座った。
私も座ると、清さんが目の前に朝食を並べてくれる。
一通り準備が終わると、みんなで手を合わせて挨拶をした。
ポトフを一口食べる。
温かくて美味しい。
でも、飲み込むのが辛い。
いい匂いがするのに、味も美味しいのに、最近ずっと食欲がない。
食べたいのに、食べられない。
だけど残すなんてできなくて、スローペースだけど食べ進める。
「凛月さん、無理しなくていいからね」
「……いえ、美味しいです」
清さんは、またにこっと微笑む。
無理なんかしてない。
全然、こんなの無理なんかじゃない。
あの家に比べたら、ううん、比べるのもおこがましいくらい優しいところなのに。



