「今だ!」


スズがそう言い、リカコの口を強引に閉じさせた。


リカコがうめき声をあげて暴れる。


「押さえつけて!」


その場に倒れ込んでしまったリカコを見て、あたしは咄嗟にそう言った。


3人がかりで起き上がれないように拘束し、口を塞ぐ。


リカコの目からは次々涙があふれ出して来た。


「早く飲み込めよ!」


あたしは上からリカコを見下ろしてそう言った。


リカコは左右に首をふる。


ゴキブリはまだリカコの口の中にいるみたいだ。


いつまでの口の中で蠢いているのだって気持ち悪いだろう。


でも、せっかくだから飲み込ませてみたかった。


「サチ、飲み物買って来て!」


そう指示を出すと、サチはすぐに駆け出した。