大きな声でそう言ったのはスズだった。


あたしもスマホ内の写真に唖然として目を見開いた。


「どういうこと? この写真って……」


「最近この辺で、幼女を狙った犯罪が問題になってるだろ。その写真だ」


そう言われてあたしはもう1度スマホ画面を見つめた。


写真に写っているのは幼い少女たちで、上半身裸にされて泣いている様子が収められていたのだ。


「ヨシキってヤツ、相当ヤバイヤツなんじゃないのか?」


そう言われてあたしはヨシキの顔を思い出していた。


良くも悪くも、特徴のない顔をしている。


性格だって変というわけじゃない。


それが、こんな秘密を隠し持っていたなんて……。


「ねぇ、この写真あたしにも送ってよ」


「構わないよ。ただし……」


秋口はそこまで言って口を閉じた。


あたしはすぐに財布を取り出して、5000円札を1枚テーブルに置いた。


「サンキュ」


秋口はお札を奪うようにして取ると、あたしに写真を送ってくれたのだった。