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大きな荷物を持って歩くため、あたしたちは裏道を通って学校までやってきていた。


狭くて入り組んだ道の上、重たいマキを持っているから1時間近くかかってしまった。


裏門を手で押し開けてみると、鍵はかかっていなかった。


今日も陸上部が練習をしているのだろう。


幸運に感謝しながら校舎裏へと移動して行く。


幸いにも、ここまで来る間に誰とも遭遇しなかった。


あとはカオリさんの判断に任せるだけだった。


スズが段ボールを横倒しにして、蓋を開けた。


中から血の臭いが流れ出してきて、鼻を刺激する。


顔をしかめつつ、マキの体を完全に段ボールから出す事に成功した。


「カオリさん……」


スズが肩で呼吸を繰り返してそう呟いた、その瞬間だった。


一瞬前までそこにあった段ボールとマキの遺体が消えたのだ。


「えっ?」


サチが驚いて周囲を見回す。


しかし、周辺にもマキの姿はない。


あんな状態で、勝手に動くとも思えなかった。


「カオリさんが持って行ってくれたんじゃないの?」