勉強はできるスズだったが、そのストレス発散にリカコを利用しているのだ。


「ほら、フケが出てる」


スズはそう言い、消しゴムのカスをリカコの頭にかけた。


授業中、わざわざ消しカスをとっておいたみたいだ。


「やめてよ!」


「フケが出てるからちゃんと綺麗にしなきゃねぇ?」


ケラケラと笑いながらそう言ったのはサチだ。


サチはリカコの鞄から弁当箱を取り出して、蓋を開けた。


「なにするの、返して!」


必死に手を伸ばすリカコの体を、あたしが押さえた。


「はぁい、シャンプーですよぉ?」


ボトボトとリカコの頭にオカズを落としていくサチ。


「あははは! くっさ!」


周囲に立ち込めるお弁当の臭いに、あたしはたまらず爆笑していた。