「ふざけんじゃねーよ!」
私の極めて素直な謝罪に、なぜか機嫌を損ねてしまった春っぽい子が、私の胸倉を激しく掴む。
戸部たすくの「気をつけてね」の意味って、これだったのかしら。
「てめー、ブスの癖にたすくを独り占めしてんじゃねーよ」
……原因は、やっぱり戸部たすくなんじゃない。つくづく迷惑だわ。
「ブスは認めるけど、独り占めっていうのは、心外ね」
冬っぽい子の顔がみるみる赤くなる。この赤さっていったら、お姉ちゃんといい勝負かも。
「ナマイキなんだよ!」
冬っぽい子の右手がふりあがり、「ぶたれる」って思った瞬間、
「あはははは、在原さんって面白いね」
春っぽい子と冬っぽい子の後ろから、場違いな笑い声が聞こえてきた。
私の前に立ちはだかる二人の間を割って、ぬっと出てきた顔、この子もクラスで見たことある。
確か、音楽っぽい名前の……
「こ、琴実!」
そうそう。ショートヘアが紅葉した彼女は、琴実さん。
春っぽい子の慌てた声に思わず相槌を打つ私。
「さくらに、ゆきこ、だっけ? あんなちゃらんぽらん男の為にこんなことしてるんだったら、やめておきな」
そうそう。さくらさんとゆきこさんだったわ。
琴実さんは、二人を交互に見下ろす。
琴実さんの鋭い視線に圧倒させたのか、冬っぽい子は私のプラウスをすごすごと離した。
「ああ、それと私、『キョン』ちゃんに用があるから、どっか行ってくれない?」
き、キョン?
私の極めて素直な謝罪に、なぜか機嫌を損ねてしまった春っぽい子が、私の胸倉を激しく掴む。
戸部たすくの「気をつけてね」の意味って、これだったのかしら。
「てめー、ブスの癖にたすくを独り占めしてんじゃねーよ」
……原因は、やっぱり戸部たすくなんじゃない。つくづく迷惑だわ。
「ブスは認めるけど、独り占めっていうのは、心外ね」
冬っぽい子の顔がみるみる赤くなる。この赤さっていったら、お姉ちゃんといい勝負かも。
「ナマイキなんだよ!」
冬っぽい子の右手がふりあがり、「ぶたれる」って思った瞬間、
「あはははは、在原さんって面白いね」
春っぽい子と冬っぽい子の後ろから、場違いな笑い声が聞こえてきた。
私の前に立ちはだかる二人の間を割って、ぬっと出てきた顔、この子もクラスで見たことある。
確か、音楽っぽい名前の……
「こ、琴実!」
そうそう。ショートヘアが紅葉した彼女は、琴実さん。
春っぽい子の慌てた声に思わず相槌を打つ私。
「さくらに、ゆきこ、だっけ? あんなちゃらんぽらん男の為にこんなことしてるんだったら、やめておきな」
そうそう。さくらさんとゆきこさんだったわ。
琴実さんは、二人を交互に見下ろす。
琴実さんの鋭い視線に圧倒させたのか、冬っぽい子は私のプラウスをすごすごと離した。
「ああ、それと私、『キョン』ちゃんに用があるから、どっか行ってくれない?」
き、キョン?



