洗面所、鏡の横に置いてあるデジタル時計は、10時ジャストを表示していた。
猛然とフライパンを叩くお姉ちゃんが頭を過ぎる。
あんなふうに、勢いづいたお姉ちゃんを止めるスキルは持ち合わせていない。
歯磨きで口いっぱいになった泡を吐く。ついでにため息も。
言うこときくしかなさそうね。
口を濯いで、顔を洗い、お姉ちゃんの部屋に向かった。足が重い。
嫌な予感がするわ。
「うふふ、響ちゃん。
さあ、お着替えしましょうねえ」
お姉ちゃんの部屋に入った途端、素早く扉を閉められた。
二人きりの密室で、怪しく笑うお姉ちゃん。こ、怖い。
「お姉ちゃん、私、今日は占い休みよ……?」
「そんなのわかってるわ。
だからこその、おめかしなんでしょう」
お姉ちゃんは、クローゼットに頭を突っ込んで、おしりをフリフリ、鼻歌混じりに答えた。
だからこそって何?
おめかしなんてする理由ないじゃない。
「うふふ、心配しないで、響ちゃん。
お姉ちゃんの勝負服貸してあげるから。そうね、これがいいわ」
しょうぶふくう?
そして、振り向いたお姉ちゃんは、6を頭の上に浮かべ、この上なく楽しそうに顔を歪めていた。
絶対不吉よ!
猛然とフライパンを叩くお姉ちゃんが頭を過ぎる。
あんなふうに、勢いづいたお姉ちゃんを止めるスキルは持ち合わせていない。
歯磨きで口いっぱいになった泡を吐く。ついでにため息も。
言うこときくしかなさそうね。
口を濯いで、顔を洗い、お姉ちゃんの部屋に向かった。足が重い。
嫌な予感がするわ。
「うふふ、響ちゃん。
さあ、お着替えしましょうねえ」
お姉ちゃんの部屋に入った途端、素早く扉を閉められた。
二人きりの密室で、怪しく笑うお姉ちゃん。こ、怖い。
「お姉ちゃん、私、今日は占い休みよ……?」
「そんなのわかってるわ。
だからこその、おめかしなんでしょう」
お姉ちゃんは、クローゼットに頭を突っ込んで、おしりをフリフリ、鼻歌混じりに答えた。
だからこそって何?
おめかしなんてする理由ないじゃない。
「うふふ、心配しないで、響ちゃん。
お姉ちゃんの勝負服貸してあげるから。そうね、これがいいわ」
しょうぶふくう?
そして、振り向いたお姉ちゃんは、6を頭の上に浮かべ、この上なく楽しそうに顔を歪めていた。
絶対不吉よ!