先輩なんて呼ばせない



「葵がそう思ってんなら、そんな距離ぶっ壊してやる」


「りょ……」


「葵の一番近くに居る男は、ずっと俺がいい」


頭が混乱して、もうショート寸前。


いったい、どうしてこんな状況になっているんだろう。


だって……。


「か、彼女がいるのに、そういうこと言っちゃっていいの……?」


「は? 彼女?」


「だって……あの、キレイな先輩とつき合ってるんでしょ……」


「誰?」


陵ちゃんが、ゆっくり額を離して怪訝な顔をする。


誰を指しているのか、ほんとに分からないみたい。


「……えと……雨の日に、一緒の傘で帰ってるとこ見て……」


やだな、こんなこと言っちゃう私。


嫉妬全開で見苦しいよね。


「ああ……バスケチームの奴らと近くの体育館借りて練習したときのことか?それなら俺、傘を持ってなかったから、偶然入れてくれただけだよ」