先輩なんて呼ばせない



陵ちゃんに彼女ができたからって、私が陵ちゃんを避けるのは身勝手だとわかってる。


でも……。 陵ちゃんにとって、私はどんな存在なんだろう。


「……ねえ陵ちゃん」


「ん?」


「私といて……ドキドキしない……?」


「は?」


目の前の陵ちゃんの目が点になっている。


随分大胆なこと聞いちゃってる自覚はある。


今読んでいた雑誌に、『男の子がドキドキする瞬間』の特集があって、『放課後の教室でふいにふたりきりになったとき』というのが上位に載っていたんだ。


シチュエーションはちがうけど、こんな時間に女の子の部屋に来て、パジャマ姿の私とふたりきりで……。


どう思ってる?  


なにも感じない?


幼なじみの特権と言われれば嬉しいけど……これで陵ちゃんが平然としていられる なら、私はやっぱり……。


「するわけないだろー、ははっ」


陵ちゃんは笑い飛ばしたあと、再び口に入っていたポテチをのんきに咀嚼する。